2020年7月時点で一度厳選したものに修正を加え、ジャンル別にリスト化してみた。とにかく曲の数や長さを絞るということに専念した。*1 管弦楽作品 (1)無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ 第2番 第5曲 シャコンヌ (2)ブランデンブルク協奏曲 第5番…
第3章(千葉雅也「ポストモダン、あるいはポスト構造主義の論理と倫理」)だけでも読めればと思って手に取った一冊だが、実際、手っ取り早くポストモダン思想について概観するにはうってつけ。世界哲学史8 ――現代 グローバル時代の知 (ちくま新書)発売日: 20…
太宰治の『故郷』*1は、原稿用紙30枚くらいの短編の私小説である。 筋書きは非常に明快である。東京で妻子と暮らしている私は母危篤の知らせを受け、長らくお世話になっている恩人の助けを借りて青森の実家へと帰省する。私は勘当の身であるがゆえに気まずい…
アントン・ブルックナーのファンであればぜひ行きたい場所の1つ、ザンクト・フローリアン修道院。ウィーンからの日帰り旅をまとめてみる。*1もちろん、基本的な情報は『地球の歩き方』に載っているし、ネットで「ザンクトフローリアン」と検索すれば旅ブロ…
ブルックナーの生涯は実に淡々としたものだが、同じく教会音楽家であるバッハの生涯も大したドラマはない。 18歳でヴァイマルの宮廷への就職を手始めに、その後はアルンシュタット、ミュールハウゼン等、しばらく勤務先を転々とする。転々とするといってもド…
どちらかと言うと現代美術史入門本として僕は読んだ。 20世紀のアートの歴史は、カメラが登場したことによって浮き彫りになった、「アートにしかできないことはなにか」という問いからはじまりました。 そこから、マティスは「目に映るとおりに描くこと」、…
82ページの記述を引用。 いち早く立憲君主制による統治が成立し、産業革命が始まったイギリスにおいて、オルガニストで作曲家、音楽教師として活躍していたチャールズ・バーニーは、1776年から1789年にかけて、全4巻からなる『音楽通史』という本を著しまし…
24の前奏曲とフーガをバランスよく1つの体系にまとめあげた稀有な演奏である。J.S.BACH/ DAS WOHLTEMPERIERTE KLAVIERアーティスト:ROUSSET, CHRISTOPHE発売日: 2016/03/11メディア: CD 24曲の始まりから終わりまで、まったく途切れることがない。各曲の特…
使用楽器:ヨハン・ハインリヒ・グレーブナー(ドレスデン)が1739年に製作した楽器(ピルニッツ城所蔵)をモデルにデイヴィット・レイが2005年に製作したジャーマン・タイプ・チェンバロ 調律法:マルプルグ調律法*1を基本に独自アレンジを加え、マルプルグ…
西洋音楽史の概説本を通読し、もう少しバロック時代について深めたい人向け。バロック音楽を考える Rethinking Baroque Music作者:佐藤 望発売日: 2017/04/08メディア: 単行本 第4章の音律論及び調律論はとりわけ有益である。 古典旋法において次第に臨時記…
風が吹く。 山上のひととき いとしい者の上に風が吹き 私の上にも風が吹いた いとしい者はただ無邪気に笑っており 世間はただ遥か彼方で荒くれていた いとしい者の上に風が吹き 私の上にも風が吹いた 私は手で風を追いのけるかに わずかに微笑み返すのだった…
僕にとっては一番特別の詩だから、ここに載せることすら、ある種の恥じらいのようなものも幾分かあったわけだけど、いやなに、もはやそんなこと言ってるようなあれでも無い。 春日狂想 1愛するものが死んだ時には、 自殺しなきゃあなりません。 愛するもの…
ヘルダーリンの詩作の重要なテーマの1つである自然についての簡潔な解説である。 ヘルダーリンにとっては、自然は所与の外界以上のものであり、彼が生き呼吸する生活圏であり、それ自身がひとつの生きているものであり、彼を愛し支え包括するものであり、そ…
ヘルダーリンの " Wie wenn am Feiertage..." の第6節4~5行目の訳し方について。【原文】 Die Frucht in Liebe geboren, der Götter und Menschen Werk Der Gesang, damit er beiden zeuge, glückt. 愛の結実が 神と人との作り成した 歌がめでたく誕生…
クリスティアン=ミューラー・オルガンで聞く、バッハのオルガン小曲集である。J.S.バッハ : オルゲルビュッヒライン / 塚谷水無子 (J.S.Bach: Orgelbuchlein BWV599-644 / Minako Tsukatani ) [CD] [国内プレス] [日本語帯・解説付]アーティスト: 塚谷水無…
フライベルクはドイツ東部の古都ドレスデンから各駅停車で1時間ほどのところにある。大聖堂にはゴットフリート=ジルバーマン製作のオルガンが300年の時を超えてそびえる。Organ Works Vol.3 -Sacd-アーティスト: J.S. Bach出版社/メーカー: Bis発売日: 201…
今年の7月から東京国立博物館で三国志の特別展があるとのことで本特集が組まれたそうな。ユリイカ 2019年6月号 特集=「三国志」の世界作者: 金文京,福嶋亮大,渡邉義浩,カレー沢薫出版社/メーカー: 青土社発売日: 2019/05/27メディア: ムックこの商品を含むブ…
ドラクエやデモンズソウルなどのゲームでもおなじみ、西洋中世の世界観や日常生活がよくわかる図解本である。図解 中世の生活 (F-Files No.054)作者: 池上正太,福地貴子出版社/メーカー: 新紀元社発売日: 2016/10/06メディア: 単行本この商品を含むブログ (1…
原題は ”The Shortest History of Europe” である。タイトルの「超約」という造語が誤解を招きそうではあるが、中身はまさに王道中の王道であり、あえて私的に訳すとするなら『ヨーロッパのあらまし ハースト教授の西洋史講座』などはいかがだろうか。超約 …
望外の長期休暇で前年に引き続き再び欧州へ。前回ほどカルチャーショックはなく、落ち着いて快適に過ごせた。また今回は各種支払時に極力クレジットカードを使用せず、町の人と可能な限り会話するよう努めた。【2019】ニュルンベルク、ローテンブルク、ライ…
ウィーンやザルツブルク、ケルン、ミュンヘンなど、ドイツ語圏には魅力的な都市がたくさんある。長期休暇で行ってみたいけど、添乗員付ツアーだと何十万円もするし、かといって個人だと言葉が不安... 以下、そんな不安を即解消。【基本情報】 ほとんどの情報…
去年はプラハやウィーンへ、今年はライプツィヒやドレスデン、ミュンヘン等のドイツ諸都市へ行くことができた。【2018】プラハ&ウィーン1.スキポール空港とタバコ プラハへの乗り継ぎでアムステルダムのスキポール空港に降り立ったのが初海外となった。 …
BCJの鈴木雅明がグローニンゲン(オランダ)のマルティン教会でシュニットガー*1&ヒンツ*2製作のオルガン*3を演奏した録音である。Bach, J.S.: Organ Works2015アーティスト: MASAAKI SUZUKI出版社/メーカー: BIS発売日: 2015/10/09メディア: CDこの商品を…
イザベル=ファウストが(いわゆる)古楽奏法的アプローチを全面的に取りいれ世に送りだした逸品である。彼女特有の美音はそのままに、歌い、語る音楽である。不自然に聞こえるところは1つもない。しかし、それだけではない。J.S.バッハ : ヴァイオリン・ソ…
生前発表詩篇の1つである。 渓流 渓流で冷やされたビールは、 青春のやうに悲しかつた。 峰を仰いで僕は、 泣き入るように飲んだ。 ビショビショに濡れて、とれさうになつてゐるレッテルも、 青春のやうに悲しかつた。 しかしみんなは、「実にいい」とばか…
ロータル=クナッツはシェリングの『芸術哲学』を次のとおり概観する。(第6章 第3節より)(1)芸術の哲学について 芸術哲学は「芸術という形式ないしポテンツにおける万象の学問」あるいは「芸術という形式における絶対的世界の呈示」であって、世界のう…
ジークバート=ベーツによれば、シェリングの「神話の哲学」の根本的な特徴、すなわち真理と言語に対する神話の関係は次のとおりである。 1 神話はオートポイエーシス的(autopoietisch)である。神話は理念的に神を捏造したものの、それゆえ詩的主観性の産…
バッハの晩年のオルガン・コラール集である。Leipzig Choralesアーティスト: J.S. Bach出版社/メーカー: Passacaille発売日: 2009/10/13メディア: CDこの商品を含むブログを見る バッハのトッカータやプレリュードあるいはフーガ等は、もちろんオルガン音楽…
ブルックナーのピアノピース(と第7交響曲アダージョの独奏ピアノVer.)がおさめられている。ブルックナー・ピアノ独奏曲全集アーティスト: 白神典子(ピアノ)出版社/メーカー: キングレコード発売日: 2017/10/25メディア: CDこの商品を含むブログを見る 《Er…
古い録音だがまったく色あせない。バッハ:無伴奏チェロ組曲(全曲)アーティスト: ビルスマ(アンナー),バッハ出版社/メーカー: ソニー・ミュージックレコーズ発売日: 1999/09/22メディア: CD購入: 1人 クリック: 31回この商品を含むブログ (17件) を見る チェ…