趣味愉楽 詩酒音楽

und es sahe der achtsame Mann das Angesicht des Gottes genau...

乏しき時代に

フリードリヒ・ヘルダーリン(1770~1843)は『パンと酒』第7節でこう述べる。 惨めな時代になんのための詩人か 私は知らない。 しかし、詩人は呼びかけに応え、証しする。 詩人の魂は長らく 限りない存在に なじんでいたが 突然の衝撃に襲われて 記憶に ゆ…

ゲヴァントハウスQua.のベルク

ただその密度に驚かされる。新ウィーン学派の音楽アーティスト: ゲヴァントハウス弦楽四重奏団出版社/メーカー: キングレコード発売日: 2015/10/28メディア: CDこの商品を含むブログを見る ベルクの弦楽四重奏曲(作品3)には本当に惹きつけられる。全2楽章…

僕にとって、かけがえのない作品リスト

とても思いいれのある、かけがえのない音楽作品[2016年6月2日時点]を思いつく限り列挙してみたくなった。おそらく、かなり特徴的だと思われる。◆鍵盤曲作品 J.S.バッハ≪平均律クラヴィーア曲集第1巻≫より『ハ長調』『嬰ハ長調』『嬰ハ短調』『変ホ長調』『…

シベリウスのピアノ小品集

いくばくの安堵とともに、更けゆく夜のお供にまた。シベリウス:ピアノ小品集アーティスト: 舘野泉出版社/メーカー: EMIミュージックジャパン発売日: 2010/10/20メディア: CD購入: 1人 クリック: 3回この商品を含むブログ (1件) を見る 静けさと透明感に満ち…

シーズン開幕も近づいて

3月を迎えていよいよモータースポーツのシーズンが開幕しようとしている。 F1は毎年3月のオーストラリアGPが第1戦である。今年のマクラーレン=ホンダはどうなるだろうか。ちなみに今年の日本GP(鈴鹿サーキット)は10月の8~9日開催である。 国内で最も人気…

桃花 流水 窅然として去る

久しぶりに杜甫の『春望』を読み、その律詩の閉じた1つの世界に羽ばたきつつ、さりとて李白の絶句に世界の開けを聞く。 別 桃 笑 問 有 花 而 余 山 天 流 不 何 中 地 水 答 意 答 非 窅 心 棲 俗 人 然 自 碧 人 間 去 閑 山 李白詩選 (岩波文庫)作者: 松…

白色の白、白鍵、リゲティ

ベートーヴェンを例外として19世紀前半の音楽よりは20世紀の音楽*1を好んで聞く。G. リゲティ : ピアノのためのエチュード (Gyorgy Ligeti : Etudes pour Piano / Thomas Hell) [輸入盤・日本語解説付]アーティスト: トーマス・ヘル,G.リゲティ,トーマス・ヘ…

ブルックナーの転換点

全編を通じてメロディック、リズミカル、そして何より「長すぎ」ない。ブルックナーの交響曲にそれを求めるのは酷な話だろうか。ところが、なかなか実演に巡りあえないこの第6番イ長調交響曲はそれらを満たす、極めて聞きやすい交響曲のうちの1つである。ブ…

合唱曲と交響曲の道

ブルックナーの合唱曲、それも世俗的歌詞に基づく合唱曲はほとんど知られていない。Maennerchoereアーティスト: Anton Bruckner出版社/メーカー: Gramola発売日: 2010/07/15メディア: CDこの商品を含むブログを見るBruckner: Men's Choirs Vol 2アーティスト…

ブル8談義

ベートーヴェンの第五そして第九交響曲の冒頭楽章の第1主題部における動機反復プロセスのスタイルを正統に継承した作曲家、それはまさにアントン・ブルックナーである。ブルックナー:交響曲第8番(第1稿, 1887年ノーヴァク版)/交響曲第0番(ティントナー)アー…

モルト・アダージョ

ベートーヴェンの書いたアダージョのなかでも最も好んで聞くものの1つ、弦楽四重奏曲第15番イ短調のアダージョ。Beethoven: Complete String Quartetsアーティスト: L. Van Beethoven出版社/メーカー: Harmonia Mundi Fr.発売日: 2014/09/09メディア: CDこ…

ニ短調への挑戦

ベートーヴェンの第3交響曲といえば≪英雄≫、シューマンの第3交響曲といえば≪ライン≫、それではブルックナーの第3交響曲といえば?Bruckner Symphony 3アーティスト: Anton Bruckner,Gunter Wand,North German Radio Orchestra (Hamburg)出版社/メーカー: Imp…

合唱の魅力:ブルックナーの場合

ただひたすらに清澄なり。ブルックナー:モテット集アーティスト: ジョーンズ,ブルックナー,ロバート・ジョーンズ,セントブライド教会合唱団,マッソー・モーレイ,ダニエル・ノーマン出版社/メーカー: Naxos発売日: 1995/02/01メディア: CDこの商品を含むブロ…

今年の抱負にかえて

ブルックナーの交響曲第9番のスケルツォのトリオ部分は、実は2回書き直されて現在知られている形になっている。 このトリオの全容すべてを世界初録音したものが次である。ブルックナー・アンノウン ~ リカルド・ルナにより室内管弦楽用編曲および補筆完成さ…

2015年ライブまとめ

今年も多くの演奏会に訪れることができた。 今年一番の演奏会はやはり≪フィガロ≫新演出である。練りあげられた脚本、和と洋が融合した舞台衣装、そして比類なき音楽の高み。忘れがたきオペラ体験となった。 オーケストラや室内楽の演奏会にもたびたび足を運…

1989年日本GP予選(オンボード)

昨年の雨の中での悲惨な事故も考慮され、今年はひと月前倒しで開催される日本GPも早今週末。 1989年の日本GPの予選よりアラン・プロストのオンボード映像。F1 1989 Onboard-Lap Suzuka (Alain Prost ... 1コーナーで3速に落としてそのままS字と逆バンクを抜…

1962年バイロイトのパルジファル

この連休中、一日ひと幕と決めて、総譜を見ながら通して聴いた。Wagner: Parsifal 1962アーティスト: Wagner,Hotter,Knappertsbusch,Bfo出版社/メーカー: Polygram Records発売日: 1990/10/25メディア: CDこの商品を含むブログを見る バイロイトにおける≪パ…

2014年最強マシン

グランフロントのショールームに展示されていたチャンピオンマシン。 ここ数年でかなりスマートになったF1マシンだけれど、それでもゴテゴテした空力デバイスには複雑な気持ち。

宇宙(根源的秩序)の鳴り響きとしての交響曲

第3番だけは通して聞いたことがなかった。マーラー:交響曲第3番アーティスト: ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団ハイティンク(ベルナルト),ネス(ヤルト・ヴァン),エルンスト・ゼンフ合唱団,テルツ少年合唱団,マーラー,ハイティンク(ベルナルト),ベルリン・…

ワーグナー最後の音楽劇

ワーグナーの≪パルジファル≫は筋書き以上に音楽が大変に魅力的である。 フルトヴェングラーとベルリンフィルによる『聖金曜日の場面』で目覚めた僕(当時高校3年)はクナッパーブッシュ指揮のバイロイト音楽祭のCD録音を手に入れたのだった。Wagner: Parsifa…

ターボエンジン第1期

1983年から1988年までのF1はレギュレーションが比較的安定していた。 まずフラットボトム規制によってサイドポンツーンが整理され、エアインテークに工夫がなされた。そしてターボエンジンは段階的に出力規制・燃料規制がなされるようになり、とりわけ燃費と…

6速でホイールスピンをおこすモンスター

1980年代のF1はターボ・エンジンの絶頂期である。GP CAR STORY Vol.13 Williams FW11 (SAN-EI MOOK)出版社/メーカー: 三栄書房発売日: 2015/09/07メディア: ムックこの商品を含むブログを見る 1986年と1987年に大活躍したのがウィリアムズFW11(11B)であり、…

夜に捧げられた者たち

どなたかは存じ上げないのだけれども、非常に有意義な指摘をtwitterでみかけたのでご紹介。 ブルックナー8番第3楽章の冒頭とトリスタンの愛の二重唱の伴奏が同じ 手元に楽譜がないので正確には把握できないが、どうやらワーグナーの≪トリスタンとイゾルデ≫…

大バッハの先輩

17世紀前半のドイツの鍵盤音楽における巨匠といえばフローベルガーである。フローベルガー:チェンバロ名曲集アーティスト: レオンハルト(グスタフ),フローベルガー出版社/メーカー: BMG JAPAN Inc.(BMG)(M)発売日: 2008/04/23メディア: CD購入: 2人 クリック…

ブルックナーのレクイエム

新宿のディスクユニオンで珍しい盤を発見、即購入。Requiemアーティスト: Anton Bruckner,Matthew Best,Catherine Denley,English Chamber Orchestra,Thomas Trotter,Joan Rodgers,Maldwyn Davies,Corydon Singers出版社/メーカー: Hyperion UK発売日: 1993/…

モノローグ、ペルソナ、ショスタコーヴィチ

スラブ系の音楽はほとんど聴かない。唯一、ショスタコーヴィチだけは好んで聴く。ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲全集アーティスト: エマーソン弦楽四重奏団,ショスタコーヴィチ出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック発売日: 2006/07/26メ…

のどのかわき

小学5年の国語の教科書にはウーリー・オルレブの『のどがかわいた』がとりあげられている。羽がはえたら (ショート・ストーリーズ)作者: ウーリーオルレブ,下田昌克,Uri Orlev,母袋夏生出版社/メーカー: 小峰書店発売日: 2000/06メディア: 単行本 クリック: …

ハルモニアの高みから

休みの日の朝、今日はどんなふうに過ごそうかと考えながら、まずは音楽を聞こうとおもって、やっぱりこれだと。Palestrina Vol. 3アーティスト: G. Palestrina出版社/メーカー: Coro発売日: 2013/02/12メディア: CDこの商品を含むブログを見る ジョヴァンニ…

西洋世界の根本語

どういう言語体系なのかずっと興味があった。ラテン語の世界―ローマが残した無限の遺産 (中公新書)作者: 小林標出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2006/02メディア: 新書購入: 4人 クリック: 41回この商品を含むブログ (52件) を見る 格変化、語尾変化、…

ヴァイオリン奏者について

好きなヴァイオリン奏者と聞かれれば、フランク=ペーター・ツィンマーマンやイザベル・ファウストをまずは挙げる。 この選び方そのものがある程度、僕の趣向をあらわしているのだが、少し言葉を変えて、では深く敬愛するヴァイオリン奏者はいるかと聞かれれ…