趣味愉楽 詩酒音楽

人文系の書籍やクラシック音楽にまつわるエッセイ集

ポリフォニークンスト

 自分の核になる音楽を改めてふりかえってみたときに、やはりバッハとブルックナーがいるのは間違いないが、そこにジョヴァンニ・ピエルルイジ・ダ・パレストリーナを加えてみてもよいのではないかと最近つよく思う。6月にタリス・スコラーズの演奏会に行き、中学時代に味わったあの衝撃を反芻するなかで、パレストリーナの作品たちにより惹かれるようになった。
 3人に共通するのは、いずれも教会音楽家であるということ。
 世俗の作品も書きつつ、生涯にわたって宗教音楽を書きつづけた音職人たち。対位法芸術の守護者たち。