バルトークとベルクの作品にはとても惹かれる。
理知的なものと情感とのバランスに非常に親しみを感ずる。
作曲のレパートリーをみるかぎりでは、バルトークのほうがいくぶん器用なタイプだったのかもしれない。しかし一方で世紀転換期の、伝統と前衛が入り混じるあのウィーンの街で生まれ育ったベルクの音楽には、ある種の異様な魅力がつきまとう。
Berg, Webern & Schönberg: Chamber Music
- アーティスト: Nicolas Bone, Antônio Meneses Belcea Quartet
- 出版社/メーカー: Alpha
- 発売日: 2015/10/02
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たとえその大部分で前衛的な手法が用いられていたとしても、ベルクの音楽には必ず悪魔的・魅惑的な歌が散りばめられている。『ヴォツェック』や『ルル』といったオペラ作品をみるまでもなく、この『抒情組曲』と名づけられた弦楽四重奏曲には妖艶にきらめく歌の翳りがある。