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人文系の書籍やクラシック音楽にまつわるエッセイ集

ブルックナーのレクイエム

 新宿のディスクユニオンで珍しい盤を発見、即購入。

Requiem

Requiem

 ブルックナーの≪レクイエム≫と≪詩篇114≫≪詩篇112≫という超マニアックな録音。
 ブルックナーはまず教会音楽家として大成した。ウィーンに出て交響曲作曲家へと飛躍するのは40歳を過ぎてからである。彼が25歳で書いたのがこの≪レクイエム≫である。
 あまり知られていないことだがブルックナーの音楽的基盤はモーツァルトにある。とりわけあの有名な≪レクイエム≫は直接的にブルックナーに影響を与えた。*1
 上部オーストリアの教会音楽においてはとりわけトロンボーンが重要視された。合唱とトロンボーンの響きだけで、こころは遠くオーストリアの教会へと旅立つ。聖なる響きに耳は安らう。

*1:モーツァルトのレクイエムの≪涙の日Lacrimosa≫の「罪ある者が裁きを受けるために灰の中からよみがえる日」の部分はブルックナー交響曲アダージョにおいてくりかえし登場することになる。