1983年から1988年までのF1はレギュレーションが比較的安定していた。
まずフラットボトム規制によってサイドポンツーンが整理され、エアインテークに工夫がなされた。そしてターボエンジンは段階的に出力規制・燃料規制がなされるようになり、とりわけ燃費という要素が極めて重要になっていった。
ルノーやアルファロメオ、ホンダといったメーカーが提供するターボエンジンはかつてないほどの馬力を誇り、引き続き巨大なリヤタイヤが使用された。巨大化はウイング、とりわけリヤウイングにも及び、この時代特有のマシンフォルムを印象付ける。
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安定したレギュレーションのもと、この時代のF1マシンは熟成を進めてゆく。燃料規制によって燃料タンクは小さくなり、エンジンカウルは低く抑えられ、マシンは全体としてより低重心となる。*1
ロータス97Tや98T、フェラーリF187(/88C)、マクラーレンMP4/3やMP4/4などを筆頭に、この時代のマシンはウイングやサイドポンツーンの直線美とコックピット前後の曲線美を兼ね備えたシンプルかつ雄弁なデザインが特徴的である。
そしてメカニカルな点においては、やはりHパターンのマニュアル・トランスミッションを介するターボエンジンであること。その驚異的なトルクと燃費を考慮しての早め早めのシフトアップなど、サウンドの魅力も尽きない。