趣味愉楽 詩酒音楽

人文系の書籍やクラシック音楽にまつわるエッセイ集

合唱の魅力:ブルックナーの場合

 ただひたすらに清澄なり。

ブルックナー:モテット集

ブルックナー:モテット集

 30代以降、オルガンのヴィルトゥオーゾとして*1また合唱音楽の作曲家として、オーストリア・ドイツはもちろんのこと、ロンドンやパリなどヨーロッパ各地に知られるようになってからも、終身書きつづけた教会音楽の数々。
 世のブルックナー・ファンのみならず、合唱ファンにも広く知られてしかるべき、ブルックナーのモテット集である。

*1:ベートーヴェン以後、19世紀の大作曲家の多くは、まずはヴィルトゥオーゾとしてデビューすることでそのキャリアをスタートさせることが多かった。シューマンショパン、リスト、ブラームス等はその代表格であろう。ブルックナーもまずはオルガニストとして華々しくデビューした。