趣味愉楽 詩酒音楽

人文系の書籍やクラシック音楽にまつわるエッセイ集

2016-02-01から1ヶ月間の記事一覧

桃花 流水 窅然として去る

久しぶりに杜甫の『春望』を読み、その律詩の閉じた1つの世界に羽ばたきつつ、さりとて李白の絶句に世界の開けを聞く。 別 桃 笑 問 有 花 而 余 山 天 流 不 何 中 地 水 答 意 答 非 窅 心 棲 俗 人 然 自 碧 人 間 去 閑 山 李白詩選 (岩波文庫)作者: 松…

白色の白、白鍵、リゲティ

ベートーヴェンを例外として19世紀前半の音楽よりは20世紀の音楽*1を好んで聞く。G. リゲティ : ピアノのためのエチュード (Gyorgy Ligeti : Etudes pour Piano / Thomas Hell) [輸入盤・日本語解説付]アーティスト: トーマス・ヘル,G.リゲティ,トーマス・ヘ…

ブルックナーの転換点

全編を通じてメロディック、リズミカル、そして何より「長すぎ」ない。ブルックナーの交響曲にそれを求めるのは酷な話だろうか。ところが、なかなか実演に巡りあえないこの第6番イ長調交響曲はそれらを満たす、極めて聞きやすい交響曲のうちの1つである。ブ…

合唱曲と交響曲の道

ブルックナーの合唱曲、それも世俗的歌詞に基づく合唱曲はほとんど知られていない。Maennerchoereアーティスト: Anton Bruckner出版社/メーカー: Gramola発売日: 2010/07/15メディア: CDこの商品を含むブログを見るBruckner: Men's Choirs Vol 2アーティスト…