趣味愉楽 詩酒音楽

人文系の書籍やクラシック音楽にまつわるエッセイ集

2017-11-01から1ヶ月間の記事一覧

リルケ:ドゥイノの悲歌(第9悲歌)

リルケの『ドゥイノの悲歌』の「第9悲歌」はこの詩作全体の頂点を成す。【第1連から】 つかのまのこの存在をおくるには (・・・)なぜに 人間の生を負いつづけねばならぬのか 【第2連から】 あらゆる存在は一度だけだ、ただ一度だけ。一度、それきり。そし…

リルケ:ドゥイノの悲歌(第8悲歌)

リルケ『ドゥイノの悲歌』の「第8悲歌」の第1連の最後には次のようにある。 わたしたちはいつも被造の世界に向いていて、 ただそこに自由な世界の反映を見るだけだ、 しかもわたしたち自身の影でうすぐらくなっている反映を。または、物言わぬ動物が わたし…