趣味愉楽 詩酒音楽

人文系の書籍やクラシック音楽にまつわるエッセイ集

2020-08-01から1ヶ月間の記事一覧

バッハ作品おすすめ厳選記

2020年7月時点で一度厳選したものに修正を加え、ジャンル別にリスト化してみた。とにかく曲の数や長さを絞るということに専念した。*1 管弦楽作品 (1)無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ 第2番 第5曲 シャコンヌ (2)ブランデンブルク協奏曲 第5番…

読書録:世界哲学史8 ー 現代 グローバル時代の知

第3章(千葉雅也「ポストモダン、あるいはポスト構造主義の論理と倫理」)だけでも読めればと思って手に取った一冊だが、実際、手っ取り早くポストモダン思想について概観するにはうってつけ。世界哲学史8 ――現代 グローバル時代の知 (ちくま新書)発売日: 20…

読書録:故郷(太宰治)

太宰治の『故郷』*1は、原稿用紙30枚くらいの短編の私小説である。 筋書きは非常に明快である。東京で妻子と暮らしている私は母危篤の知らせを受け、長らくお世話になっている恩人の助けを借りて青森の実家へと帰省する。私は勘当の身であるがゆえに気まずい…

回想:ザンクト・フローリアン修道院への旅

アントン・ブルックナーのファンであればぜひ行きたい場所の1つ、ザンクト・フローリアン修道院。ウィーンからの日帰り旅をまとめてみる。*1もちろん、基本的な情報は『地球の歩き方』に載っているし、ネットで「ザンクトフローリアン」と検索すれば旅ブロ…

サラリーマン・バッハ

ブルックナーの生涯は実に淡々としたものだが、同じく教会音楽家であるバッハの生涯も大したドラマはない。 18歳でヴァイマルの宮廷への就職を手始めに、その後はアルンシュタット、ミュールハウゼン等、しばらく勤務先を転々とする。転々とするといってもド…