趣味愉楽 詩酒音楽

人文系の書籍やクラシック音楽にまつわるエッセイ集

2018-01-01から1年間の記事一覧

シュニットガー・オルガンで聞くバッハ

BCJの鈴木雅明がグローニンゲン(オランダ)のマルティン教会でシュニットガー*1&ヒンツ*2製作のオルガン*3を演奏した録音である。Bach, J.S.: Organ Works2015アーティスト: MASAAKI SUZUKI出版社/メーカー: BIS発売日: 2015/10/09メディア: CDこの商品を…

イザベル=ファウストによる21世紀のバッハ演奏 最前線

イザベル=ファウストが(いわゆる)古楽奏法的アプローチを全面的に取りいれ世に送りだした逸品である。彼女特有の美音はそのままに、歌い、語る音楽である。不自然に聞こえるところは1つもない。しかし、それだけではない。J.S.バッハ : ヴァイオリン・ソ…

中也と夏

生前発表詩篇の1つである。 渓流 渓流で冷やされたビールは、 青春のやうに悲しかつた。 峰を仰いで僕は、 泣き入るように飲んだ。 ビショビショに濡れて、とれさうになつてゐるレッテルも、 青春のやうに悲しかつた。 しかしみんなは、「実にいい」とばか…

シェリング:芸術の哲学

ロータル=クナッツはシェリングの『芸術哲学』を次のとおり概観する。(第6章 第3節より)(1)芸術の哲学について 芸術哲学は「芸術という形式ないしポテンツにおける万象の学問」あるいは「芸術という形式における絶対的世界の呈示」であって、世界のう…

神話を思索することについて

ジークバート=ベーツによれば、シェリングの「神話の哲学」の根本的な特徴、すなわち真理と言語に対する神話の関係は次のとおりである。 1 神話はオートポイエーシス的(autopoietisch)である。神話は理念的に神を捏造したものの、それゆえ詩的主観性の産…

バッハ:ライプツィヒ・コラール集

バッハの晩年のオルガン・コラール集である。Leipzig Choralesアーティスト: J.S. Bach出版社/メーカー: Passacaille発売日: 2009/10/13メディア: CDこの商品を含むブログを見る バッハのトッカータやプレリュードあるいはフーガ等は、もちろんオルガン音楽…

ブルックナー:ピアノ作品集

ブルックナーのピアノピース(と第7交響曲アダージョの独奏ピアノVer.)がおさめられている。ブルックナー・ピアノ独奏曲全集アーティスト: 白神典子(ピアノ)出版社/メーカー: キングレコード発売日: 2017/10/25メディア: CDこの商品を含むブログを見る 《Er…