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und es sahe der achtsame Mann das Angesicht des Gottes genau...

ジルバーマンオルガンで聞くバッハ

 フライベルクはドイツ東部の古都ドレスデンから各駅停車で1時間ほどのところにある。大聖堂にはゴットフリート=ジルバーマン製作のオルガンが300年の時を超えてそびえる。

Suzuki Plays Bach Organ 3

Suzuki Plays Bach Organ 3


 ミーントーンという古典調律の特性を生かして、おさめられている曲目はハ長調ハ短調というコントラストで彩られている。
 中東部ドイツのジルバーマンのオルガンの音色は、北ドイツのアルプ・シュニットガーのそれとはまったく異なっている。シュニットガーのオルガンがきらきらとして瑞々しく透き通るようなサウンドだとすれば、ジルバーマンは実にまろやかで温かく芳醇なサウンドである。

bachundbruckner.hatenablog.com

読書録:ユリイカ「三国志」の世界

 今年の7月から東京国立博物館三国志の特別展があるとのことで本特集が組まれたそうな。

ユリイカ 2019年6月号 特集=「三国志」の世界

ユリイカ 2019年6月号 特集=「三国志」の世界

 三國無双シリーズや各種のシミュレーションゲームでおなじみの三国志は、やはり誰もが通る道ではないだろうか。あるいは映画(『レッドクリフ』等)から入る人もいるだろう。ゲームや映画から入って、マンガ(横山光輝三国志はあまりに有名)や小説、そして歴史本へと歩みを進める人も中にはいるかもしれない。*1
 以下、本特集の目次から一部を抜粋(順不同)して紹介。

・正史『三国志』と『三国志演義』の物語叙述について
曹操の戦いとかれの兵法
呂布「最強」への道程
諸葛亮孔明の月俸と財産
横山光輝三国志』はなぜネット世代にもウケているのか
ジェンダーの視座から見た貂蝉の描かれ方
黄蓋の武器と生死に見る『三国志演義』の形成・発展史

*1:ちなみに筆者は小学生当時、無双シリーズから入門し、横山三国志、各種映画、そして中国古代史へと順調にそのキャリアを歩んでいった部類である。

読書録:図解 中世の生活

 ドラクエデモンズソウルなどのゲームでもおなじみ、西洋中世の世界観や日常生活がよくわかる図解本である。

図解 中世の生活 (F-Files No.054)

図解 中世の生活 (F-Files No.054)

 医術、衛生、刑罰、衣食住、水車小屋、居酒屋、人狼、娼婦、乞食、娯楽、風呂屋等々、のちに18世紀の啓蒙主義時代になって次々に整理整頓されていく中世特有のものの考え方やくらしは非常に興味深い。

 民族大移動や外敵侵略が落ち着いた11世紀から13世紀にかけて、西欧社会は比較的安定していた。農業技術の革新、商業ルネサンス、都市の発展などもみられ、いわゆる現代に通ずるヨーロッパ社会の風景が確立していった時期ともいえる。
 ヨーロッパの原風景は中世にあり。

読書録:超約 ヨーロッパの歴史

 原題は ”The Shortest History of Europe” である。タイトルの「超約」という造語が誤解を招きそうではあるが、中身はまさに王道中の王道であり、あえて私的に訳すとするなら『ヨーロッパのあらまし ハースト教授の西洋史講座』などはいかがだろうか。

超約 ヨーロッパの歴史

超約 ヨーロッパの歴史

 古代ギリシャから第2次世界大戦まで西洋史を極めてコンパクトに、かつ深みと笑いをもって叙述するその語り口には驚嘆しきり。オーストラリアのラ・トローブ大学にながらく勤務していた著者の授業がいかにエキサイティングなものであったかは容易に見当がつくというものである。
 本文中の写真や図版、解説用の図式は、単に理解を助けるというだけでなく、知的にも面白いものが多数用意されている。それだけではない。ハースト教授の語りは絵画や彫刻、果ては代数や幾何学天文学にまで及ぶ。「こんな歴史の授業を受けたかった!」と思わせるには十分すぎるほどの中身の濃さ。
 
 センター世界史は9割が当たり前だったという人にも、世界史資料集を眺めているのが好きだったという人にも、そして世界史を学びなおしたいという人にも打ってつけの1冊、王道にして明瞭簡潔かつ知的好奇心をくすぐる良書の登場である。

追想:中欧を旅して(後半)

 望外の長期休暇で前年に引き続き再び欧州へ。前回ほどカルチャーショックはなく、落ち着いて快適に過ごせた。また今回は各種支払時に極力クレジットカードを使用せず、町の人と可能な限り会話するよう努めた。

【2019】ニュルンベルク、ローテンブルク、ライプツィヒドレスデン、ナウムブルク、ミュンヘン

 一日で一都市という都市周遊の旅だったので各都市を箇条書きで。

1.ニュルンベルク
・中央駅のファサードが大変立派
・駅付近と駅ビル内に多数の警察官(土日だったから?)
・駅の入口で不良っぽい子たちがみなタバコ(とレッドブル
・夕食のカレーのライスがインディカ米(人生初)で非常に美味しかった
・安心と信頼のバーガーキング

2.ローテンブルク
・中世都市の面影を色濃く残す町
・市庁舎からの展望はまさに「ドラクエの町」そのもの
・聖ヤコプ教会や中世犯罪博物館は見どころ満点
・町をぐるりと囲む城壁からの眺めもなかなかのもの
・ソーセージとビールが旨い

3.ライプツィヒ
中央駅の広さは圧巻(阪急梅田と阪神梅田と南海難波のコンコースすべてを並べてもまだ有り余るホームの数)
メンデルスゾーンハウスの指揮者体験コンテンツは、ウィーンの音楽館よりも高性能
トーマス教会でのコンサートは格別(オルガンコンサートと合唱コンサート)
・トーマスショップではバッハ関連グッズを大人買い
・ラーメン屋や寿司天ぷら屋など日本食レストランが流行っているのか、複数見かけた
・野菜ラーメンを食べてみたが、それなりの味(コンソメスープに小麦粉感少な目のストレート麺といった感じ)
・留学するならライプツィヒ!と思えるくらい素敵な町
・安心と信頼のマクドナルド
・優しく親切な人が多かった

4.ドレスデン
・教会群やゼンパーオーパー等、名所だらけ
エルベ川クルーズは時間的に行けず
・ピザとビールが旨い

5.ナウムブルク
ライプツィヒから鈍行各駅停車で1時間ほど
大聖堂世界遺産
ヴェンツェル教会のオルガンコンサートは超満員
ヒルデブラント・オルガン*1の音色には打ち震えた(今回の旅の目的はこれだった)
・何代も続く老舗ベーカリーのサンドイッチが美味
・ちょうど祝日(メーデー)とあって町はお祭り真っ最中(広場ではイベントと植木市、少し外れの広場ではフリマ)
路面電車の車掌のおじちゃんが「今日は祝日ダイヤだから気をつけるんだよ、本数が少ないからね、帰れなくならないようにね(大意)」とビラを渡しながら懇切丁寧に説明してくれるも、無慈悲なネイティブスピード・ドイツ語(最初から最後まで「一言も」聞きとれなかった)
・町で会う人みな優しく親切だった
・駅のコンビニのマンガコーナーに売っていたドラゴンボール(ドイツ語)

6.ミュンヘン
・文房具屋には、日本では見たことないような製品がたくさん(文房具好きにはたまらない)
BMW博物館には往年の名車が多数(一方で展示スペースのかなりの部分を要して「地球環境への配慮」を猛烈アピール)
・ピザとスパゲティとビールが旨い

7.番外編
・どの町も広場や駅には必ずといっていいほど本屋があった(町から本屋が消えつつある日本とは対照的だった)
・現地のサンドイッチはどこで食べても美味しい
ルフトハンザのグランドスタッフさんみんなスーパー美男美女

28 地球の歩き方 aruco ドイツ 2018~2019 (地球の歩き方aruco)

28 地球の歩き方 aruco ドイツ 2018~2019 (地球の歩き方aruco)

*1:リード系パイプがこれほどまでにオーボエファゴットであったか、フルート系パイプがこれほどまでにフルートであったかと驚嘆。音色の瑞々しさにこころ震えた。バッハのオルガンコラールには静かに涙した。