どちらかと言うと現代美術史入門本として僕は読んだ。
20世紀のアートの歴史は、カメラが登場したことによって浮き彫りになった、「アートにしかできないことはなにか」という問いからはじまりました。
そこから、マティスは「目に映るとおりに描くこと」、ピカソは「遠近法によるリアルさの表現」、カンディンスキーは「具象物を描くこと」、デュシャンは「アート=視覚芸術」といった固定観念からアートを解き放ってきました。そしてについてポロックは、《ナンバー1A》によって、アートを「なんらかのイメージを映し出すためのもの」という役割から解放しました。これによって絵画は、「ただの物質」でいることを許されたのです。
詩、音楽、演劇といった分野でも同様にモダニズムやアヴァンギャルドの潮流は20世紀を特徴づけている。もちろん新ロマン主義的な傾向や超写実主義的な傾向もあったわけだが、モダニズムやアヴァンギャルドへの応答あるいは対抗という側面も否定できないだろう。